空き瓶通信

鏡花幻想文学誌 異界/境界 28): 従って肝心の物語はここから始まる。蛭から逃れた聖は｢隧道を抜けたやうに｣月明の｢魔処｣に出る。｢隧道｣...

鏡花幻想文学誌 異界/境界 25): そしてすぐ二つに引き裂かれた蛇の胴体を見る。｢魔処｣の入り口では、〈ニ〉の原理が支配的だ。その境界を越...

鏡花幻想文学誌 異界/境界 21): ｢私｣と別れた聖は｢雪中山越えにかゝる｣ことになっている。以前も同じようにして峠を越えるうち｢魔処｣に...

鏡花幻想文学誌 異界/境界 18): この魔性の女は実は鬼女でもあるらしく、肉の誘惑にまけた男たちを動物に変化させてしまう。恋情のまま孤疑し...

鏡花幻想文学誌 異界/境界 14): 雑駁な言い方をすると、鉄道時刻表によるローカル・タイムの制圧を通して、文字通り中央からあっという間に兵...

鏡花幻想文学誌 異界/境界 11): 地誌と時間の描写がえらく細かい。｢山｣を領略して｢平地｣化していった欧代近代の厭わしい高速の快感を｢私...

鏡花幻想文学誌 異界/境界 9): およそあらゆるものの｢起源｣に結びつき、｢起源｣へと辿り戻すことのできる民俗的なネットワークが次々と寸断...

鏡花幻想文学誌 異界/境界 6): ごく大雑把に言って、欧化近代政策の入ってくる以前と以降の時間的非連続を異界文学は心ならずも｢大人｣になっ...

鏡花幻想文学誌 異界/境界 4): 互いに深く敬愛し合った仲の柳田國男の『遠野物語』(明43)の序文に、問題の時代相は言い尽くされている。｢...

鏡花幻想文学誌 異界/境界 ｢平地人｣の戦慄 1): 西洋近代に追いつき追いこせで始まった日本の維新近代の大実験にも、20年ほどたつと綻びが...