高山宏 學魔_nonbot 身内と胎内 『失われた庭』の僕 48~51

身内と胎内 『失われた庭』の僕 48): 美のためなら社会や人倫が何だという幼い確信犯と、喜んでその「共犯者」たらんとする女の話。先にも言ったが、渋澤グループの人脈などほとんど知りもしないし、渋澤の公表された年譜資料のたぐいにも、怪しげな感じは何も見えない。

身内と胎内 『失われた庭』の僕 49): 創作小説と言うには余りにディテールが生々しい、はて、この矢川という女性は何の目的があってこれを公けにしたのだろう、と首をひねるよりなかった。嫉妬?未練?遺書?身内の者は当然ふれないわけだろうし、その外に位置するぼくのような人種は、これが深刻な..

身内と胎内 『失われた庭』の僕 50): モデル小説として虚実がどういう具合になっているのか測定しようもなくて黙まりをきめこんだ。そこにもう一撃とばかり『失われた庭』である。「それ以上のことはもはや身内の者たちの容喙するかぎりではなく、F.Gの胎内で幾度かくり返されたドラマについては..

身内と胎内 『失われた庭』の僕 51): もちろんどちらの親たちも聾桟敷だった」とあった。どうしても何かわかってもらいたいものがあるんだな、とぼくは覚悟を決めて読み通すことにした。それに「兎」と「庭」をへだてるぼくの中の10年があったのだと思う。

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