高山宏 學魔_nonbot 身内と胎内 『失われた庭』の僕 69~71

身内と胎内 『失われた庭』の僕 69): 本当のぼくと渋龍氏の関係は多分そのようなものではなかったのだが、渋澤の本の横にぼくの本をずらりと並べている矢川氏の書棚の結構を見るに、矢川氏の目に映っていた二人の男の関係はA.D対B.Cのそれなのだったと勝手に想像したりする。

身内と胎内 『失われた庭』の僕 70): まさかA.Dが紀元後、B.Cが紀元前(!)という寓意まで読みとろうとするほどぼくも愚かではないが、『失われた庭』冒頭部のA.DとB.Cという架空のペアと、それを捏造するF.Gに、ぼくは渋澤、高山をひとつながりに感じている矢川澄子を想い、それぞれ5分ほどしかない..

身内と胎内 『失われた庭』の僕 71): 二度ばかりの出会いを、もっと親密に話をしておけばよかったのに、と勝手に深く悔やんでしまう。銀座青木画廊の建石修志個展の会場で偶然会ったのが最後である。わたし、建石さんとこの借家人なのよ、と矢川さんは笑った。

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