高山宏 學魔_nonbot 身内と胎内 『失われた庭』の僕 29~31

身内と胎内 『失われた庭』の僕 29): ぼくが自分の『アリス』訳を出した時、既訳の企てを十把ひとからげに不満だからこうして新たな訳を出したと書いたら、その十把にわたしのも入っちゃってるのねという手紙をもらって、ぼくは頭を掻いた。

身内と胎内 『失われた庭』の僕 30): ぼくのような団塊人間にとって、1966年に出たG.R.ホッケの『迷宮としての世界』を種村季弘氏と一緒に訳した共訳者として矢川澄子の名は記憶に残る。ぼくは東京の大学に合格して1968年に上京、英語を教えるという口実の下に人文学の当時流行の動向万般を口にした..

身内と胎内 『失われた庭』の僕 31): 由良君美氏から、この異端文芸学のバイブルのこともおそわった。それから半生にも当りそうな時間、ぼくなどはこの本にぞっこんいかれ、翻弄されてきた。

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