空き瓶通信0033 映画「ボルケーノ」

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本作「ボルケーノ」は、カリフォルニア州ロサンゼルスで突如溶岩が噴出して、どんどん街を飲み込んでいくという、パニック映画を絵に描いたような作品である。主演はトミー・リー・ジョーンズ。その名を聞いてもぴんとこないかもしれないが、缶コーヒーのBOSSのCMにずっと出ているあのひとだといえばわかるだろう。

そのトミー・リー・ジョーンズ演じるマイクが緊急事態管理局の局長として、一難去ってまた一難という状況を切り抜けていく本作であるが、作中において印象的なのは、繰りかえし口にされるresponsibilityという言葉である。街の安全を守る責任者としてマイクはmy responsibilityという言葉を口にし、また自分のティーネイジャーの娘にも、この危機のなかで自分よりも幼い子供の面倒を見ることは、Your responsibilityだと口にする。

responsibilityとは、日本語では責任という言葉が相当するであろうが、わたしはresponsibilityという文字をみると、responseという言葉を連想する。responseとは応答という訳語が与えられているが、日本語では責任と応答という言葉はまったく乖離しているのに、英語ではresponse とresponsibilityは語幹を共有する。言語の不思議である。

なお、bilityはできるとか可能性があるという意味である。したがって、英語で話しものを考える彼のひとびとにとって、責任とは応答ができることという概念だとわかる。わたしは本作を見るたびに、このresponsibilityという言葉を耳にしては、日本語と英語における概念のちがいを思うのである。

映画自体については、はじめに述べたようにパニック映画のお手本のような展開で、見ていてあきない。また1997年というコンピュータ技術が極端に発達するまえの時代に公開された作品であるため、溶岩の描写もつくりこんだ感じがしないのもポイントである。

Volcano (1997) – Trailer

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