空き瓶通信0106

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ひととのかかわりをもっていると、どのようなことであれ、大なり小なり意見なり利害の対立が起こる。そのようなとき、話し合いで問題を解決していくことになるのだが、おおかたのひとは交渉というものに意識的ではないため、話し合いの技術というものをもたない。そのためふつうの会話とおなじ感覚で話をすすめて、たいていはうまいこと言いくるめられて、あとで悔しい思いをすることになる。
本書『「交渉力」を強くする』は、そのような交渉について右も左もわからない「ふつうのひと」に向けた交渉術の入門書であり、またこれ一冊で必要十分という本である。
交渉とは、現時点では意見の対立はあるもののお互いに現状の対立を解決しようとする意思をもつもの同士の対話である。ようするに、ただの口げんかではないのが交渉における対話なのだ。そのような交渉について、著者は殴り合いと握手を同時に行うようなものであり、交渉相手は敵対者であるが同時にパートナーでもあると定義する。
では、交渉において相手の優位に立つには、どう話をすすめていけばいいのだろうか。本書には交渉におけるテクニックがいくつも掲載されているが、自分の意見を述べるにしろ相手のそれに反論するにしろ、つねにその主張における根拠を意識して交渉をすすめることがもっとも大切であると著者は述べる。
主張そのものを責められるとひとは感情的に反論することもあるが、その根拠の矛盾をつかれるとなると、自分の意見に対して距離をおいて考えるようになる。また反対に相手からこちらの意見に反駁されたとしてもその根拠をしめすことによって堂々と反論することが出来る。根拠を意識して相手の話を聞き、また自分の主張を組みたてることが、交渉における要なのだ。
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