空き瓶通信0091 変化が苦手

garageband / Pixabay

わたしは状況の変化に弱いところがある。子供の頃は、クラス替えが駄目だった。せっかく仲良くなった友達とばらばらにさせられて、またはじめから人間関係を作っていかなくてはならないことが、とてもつらかった。

わたしは、環境になれるのに、ひどく時間がかかるたちである。子供の頃の話をつづけると、新しいクラスに放り込まれたばかりのうちはおっかなびっくりで過ごし、どうにか雰囲気に慣れ親しんだかと思うと、またクラス替えといった感じだった。こんなことを繰りかえしているうちに、そのうち学校にいくのが、すっかり嫌になってしまった。

わたしはいまだに環境が変わることが苦手であるし、人間関係に変化が生じることも苦手である。同じ状況で、同じひとたちと、ずっとのんきに付き合いをつづけたい。わたしはそういう人間で、じっさいにさして変わらない毎日をおくり、親しくしているひとたちも、付き合いはじめて十年単位という方が多い。

さよならだけが人生だなどというが、わたしは自分が身をおいている環境からも、そしてなによりわたしのまわりのひとたちからも、さよならなどしたくない。ずっと、おんなじ状態で、仲良く過ごしていたいのである。

だが、この世界はじっととどまりつづけるものなどは何ひとつとしてなくて、おかれた状況もひとのこころも、そのすがたかたちをどんどんと変えていく。変化こそがこの世の原動力であり、また生きるうえでのルールなのかもしれないが、わたしはそんななかにあって、時よとまれ、おまえは美しいと、つぶやいてばかりいる。

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