「太宰治署名本の魅力 —汝を愛し 汝を憎む」に行ってきた


太宰治に関する展覧会「太宰治署名本の魅力 —汝を愛し 汝を憎む」に行ってきた。会場は太宰治そのひとが住んでいた家を再現したもので、小さな部屋が三つしかない空間だった。太宰治という男はいまでもとても人気があるようで、また今日は展示の最終日ということもあって、この狭い空間に、ひっきりなしにひとが押し寄せていた。

展示の目玉は、ずらりと並べられた処女作『晩年』の献呈署名本である。出版にさいして、御世話になったひとに感謝の一言を添えて自著を贈る。献呈署名本とは、ほんらいそういうものなのだが、どうやら太宰のばあいは異なるようで、まるで喧嘩を売るような言葉を書きつけていたりする。「汝を愛し 汝を憎む」とか「あざむかれる ことの たのしさ」などと書かれた本を贈られた者は、いったいどこに気持ちを持っていけばいいのだろう。うねるような毛筆で書かれた毒気のある文句を見ながら、わたしはそんなことを思った。

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