空き瓶通信0009 新型コロナウイルスと『グエムル‐漢江の怪物‐』


本日は、2020年2月26日水曜日。世間は、変わらず新型コロナウイルスのことでもちきりである。特に昨日今日と中東やヨーロッパへの感染拡大が大きく報じられるようになったり、あるいはIOCの人間が5月までに収束しなければ東京オリンピックは中止だと発言をしたりと、新型コロナウイルスを取り巻く事態は途方もなく広がりをみせている。

さて、今回も、新型コロナウイルスから思い出した映画について書いてみたい。韓国映画『グエムル‐漢江(ハンガン)の怪物‐』である。この映画は、今年2020年に『パラサイト』でアカデミー賞の作品部門、監督部門などを受賞したポン・ジュノ監督による作品である。

この『グエムル‐漢江の怪物‐』、そのタイトルの通りソウル中心部を流れる川、漢江に突如未知の怪物が出現し、人を襲い、ソウルの街を破壊していく内容なのだが、この怪物が出現した理由というのが、今回の新型コロナウイルスについての、ある話を連想させてやまない。

映画の冒頭において、漢江に薬物を不法投棄するシーンが出てくる。つまり、漢江の怪物は、そんな捨てられた薬物が漢江の生物の遺伝子を破壊し、結果として未知の怪物を生み出してしまったという設定で物語は展開されてゆくのだが、これは新型コロナウイルスについて海外のメディアやネット上でささやかれている武漢の研究所から漏れ出た人工培養説と、いやがおうにもシンクロしてくる。

実際のところ、新型コロナウイルスが野性動物由来のものなのか、あるいは人工培養されたものなのか、どちらなのかはわからない。だが、人間というものは、あまりに情報が限られ、未知の状態を目の前にしたときに、さまざまな話を考えだすものだ。それらは流言飛語の類であることが多々あるが、同時に未曾有の混乱にたいする、こころの防御反応のひとつであるような気もする。

街中を闊歩して破壊の限りを尽くすのが怪物であるのか、あるいは目に見えず温度も臭いもしない病原菌なのかといった違いはあるものの、未知なるものに襲われ、身を脅かされ、社会システムが混乱し、日常生活が送れなくなるという点では、漢江の怪物も目下わたしたちを取り囲んでいる新型コロナウイルスも、同じような気がしてくる。

さいごに話の筋とは直接関係ないが、この映画の映像のみどころをあげるとするならば、怪物に殺害された人たちの合同葬において、遺族が大声で泣き喚く場面は、いかにも民族性が出ているという気持ちがした。

また、本作においては、とにかくペ・ドゥナがいい。この作品のペ・ドゥナはパワフルだ。弓ひとつで怪物と対峙するペ・ドゥナは、ほんとうにりりしい。『春の日のクマは好きですか』のお茶目な女の子や『空気人形』における繊細な演技とは、まるでことなるペ・ドゥナの魅力であふれている。

グエムル-漢江の怪物-
Spring Bears Love | theater scene | funny clip
空気人形(プレビュー)

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