浅田すぐる 『すべての知識を「20字」でまとめる 紙1枚!独学法』

空き瓶通信0105

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本や映画、美術や音楽などのいろいろな文化表現に触れているのに、自分はそこから得たものをまるで言葉にできていないのではないかという思いにかられることがあるが、そこには、ふたつの原因があるように思う。

ひとつは、感動なり印象を言葉にできないということは、対象をきちんと把握していないのではないかという、理解力の問題である。ようするに、本を読んでいるのに内容をまるでわかっていないので、その内容を説明することができないというわけである。

さらに別の理由としては、内容は理解したものの、それを自分の言葉にして表現することができないため、対象について語ることができないという問題がある。こちらは語彙や表現力、あるいは感性の問題といっていいだろう。

この『すべての知識を「20字」でまとめる 紙1枚!独学法』は、いま述べたふたつのこと、物事を正確に理解することとそれについて自分の言葉で表現することの両方のちからを鍛えることを目的とした本である。その内容はいたってシンプルで、さまざまなものを20字で要約することをくりかえすことで本質をつかむ能力がアップし、そのうち自分の言葉によってあらゆることが20字で語ることが出来るようになっていくというものである。

エレベーターピッチというものがあるが、あれなどはまさに20字で自分を表現する行為なのだろう。エレベーターでばったり鉢合わせになったほんの短い時間のうちに要点をかいつまんで話せるひとは頭の回転がはやく理解力にたけた自己アピールができるひとと評価されるが、この本にのっとってさまざまな事柄を20字でまとめることをふだんからしていたら、まさにエレベーターピッチの達人になれるはずだ。

悲しいかな、世間のひとは言葉にしたことや行動したことでしか評価してくれない。露骨にいうならば、どんなに崇高なことを考えていても、それだけでは褒めてくれないのである。自分の考えや理解していることを伝えられないのは、おおきな損失なのだ。本書は、そんな世知辛い世の中をわたっていくうえで、とっておきの武器となる一冊である。

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