空き瓶通信0097 TM NETWORK【THE POINT OF LOVERS’ NIGHT】

JUrban / Pixabay

ある一定以上の濃密な結びつきを、パートナーシップと呼ぶ。文字どおりおたがいがそれぞれの部分となって、不足するものをおぎないあう関係。この世界に、こんなに美しいものはない。

パートナーシップにおいてもっとも強固なものは、やはり恋愛における関係であろう。精神的な結びつきと性的な結びつきがDNAの二重螺旋のように絡みあい、ふたりをぎゅっとひとつにするそれにはどうやら求心力と遠心力があるようで、ふたつのこころは近くなったり遠くなったりをくりかえしながらころがっていく。その行き先は当人すらわからず、そのときどきに胸をはずませたり頭を悩ませたりをくりかえす。

どんなにうまくいっているふたりでも、気まずくなる瞬間がおとずれるのは、どうしてなのだろう。何が原因なのかもわからないのにパートナーの所作が気になって仕方なかったり、その反対に向こうが変に突っかかってきたり、そんなことがふたりのあいだに、思いがけずおとずれるのは、どうしてなのだろう。

TM NETWORKの「THE POINT OF LOVERS’ NIGHT」は、結びあう糸がほぐれてしまいそうな瞬間をまえにした、ふたりのすがたが描かれている。THE POINT OF LOVERS’ NIGHT、恋人たちの夜におけるある一刻といったタイトルがあたえられたこの楽曲は、歌詞はもちろんのこと、不穏な印象をつのらせるシンセサイザーの音色によって、恋愛関係における逢魔が刻ともいうべきあの時間を表現する。

今回は1994年のライブバージョンを紹介したい。なによりも宇都宮隆のヴォーカルと身のこなしがグラマウスこのうえないが、それをささえるハードな演奏がたまらない。とくに空間そのものをゆがませるような小室哲哉のシンセサイザーの音色が印象的だ。10分に迫るパフォーマンスだが長さをいっさい感じさせず、また青を基調とした照明も美しい。まさに、ベストテイクである。

https://www.nicovideo.jp/watch/sm813233

↓↓↓読んだよ!

0