空き瓶通信0093 庭の金木犀

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このところ、庭の金木犀から多くの落葉がある。昨年わたしが剪定をしたところから新芽が出ているので、金木犀それ自体が駄目になったというわけではないようだ。おそらくどういうわけか毎週末にやってくる強風と大雨のせいで、古い葉っぱが落ちているのだろう。じっさい足元を見てみると、かさかさに乾ききった黄土色の葉っぱがたくさん重なっている。

わたしの家の金木犀は、ものすごく大きい。家と同じか、もしかしたらそれ以上かもしれないほどの高さがある。そんな大きな金木犀が葉を落としているものだから、いくら掃いても、追いつかない。週二回の燃えるゴミの日にあわせて箒をつかっているのだが、強風に襲われるたびに、ふりだしにもどってしまう。

ちなみに、金木犀にかんしては、先月は落葉以外の出来事もあった。金木犀の根元には水道メーターが埋め込まれた空間があるのだが、大雨の折、そこにまわりの土が流れ込んでしまったらしく、メーターがすっかり泥で埋もれてしまっていた。次の検針までに取り除くようにいわれたわたしは、100円ショップでスコップを買ってきて、砂場で遊ぶ子供のようにしゃがみこんで水をふくんで重くなった土をかきだしたのだが、こちらも掘っても掘っても泥が層になっていて、なかなか終わらなかった。

毎年秋になると、遠くからでもわたしの家の一角が薄橙色に染まっているのが、はっきりとわかる。そんな堂々とした金木犀の晴れ姿を目にすると、わたしは子供の頃に感じていた、自分の庭を何よりも誇らしく思っていたあの感覚が胸いっぱいにひろがってくるのに気がついて、なんともしわせな気持ちになる。

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