空き瓶通信0061 まぶたを刺される

Nika_Akin / Pixabay

ことしの八月は、なんだか冴えないままにはじまって、気がつけばもう終わりである。前回、体中をノミだかブヨだかに刺されてかゆくてたまらないという話をしたが、あれからが大変で、なんと寝ているあいだに左まぶたを刺されてしまったらしく、起きたらまぶたが真っ赤にはれあがってしまっていて、ほんとうにまいった。わたしは日本人には少ない並行型二重と呼ばれるまぶたをしているのだが、それが左目のみ、一重まぶたになってしまったのである。

この左目が、大変だった。皮が厚ぼったく真っ赤にはれて、粉をふいてしまって、痛くてかゆくて仕方がない。またそれにくわえて、左目が一重になっただけなのに、目は口ほどにものをいうということだろうか、鏡に映る顔がすっかり別人で、自分のものとはとても思えず、これにも心底まいった。片方の目元がほんのわずか変わってしまうだけで、ひとは軽いアイデンティティークライシスを起こすものらしい。

なお、まぶたを虫に刺されて一重まぶたになったのは、今回が二度目である。前のときは今回よりももっとはれてしまって、その日予定していた中華料理を食べに行く予定を中止した覚えがある。ちなみにこのときも寝ている間に被害にあったのだが、お尻に大きな針をもった得体の知れない生き物の死骸が部屋に落ちていて、こんなのに刺されたのかとびっくりしたものだった。

余談であるが、まぶたが下がったことによって、いつもより視野がせまく感じられたのだが、これは不思議な体験だった。老化現象によって垂れ下がったまぶたを二重にすることで視野を広げる手術があるというが、たしかにまぶたがさがっていると、ものが見える範囲がせまくなるのは、事実そうであるようだ。

8月の長い夜(FANKS DYNA-MIX).wmv

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