『方丈記』について


ふと、『方丈記』について思うところがあったので、そのことについて書いてみることで、このブログの再開のきっかけとしてみたい。

一般的に『方丈記』は、その冒頭の一文「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず」という言葉から、この世のはかなさ、人生のむなしさを述べている精神的な側面のつよい随筆であるという印象で語られがちであるが、記録文学としての側面もまた、読むに値するものだと思う。

鴨長明の生きていた時代は、さまざまな天変地異があったようで、この『方丈記』には、火災や地震、飢餓といった出来事が、これでもかと書き連ねられている。むろんこれら不幸な出来事を前にして、鴨長明はこの世のはかなさや人生のむなしさを語ってはいるのだろうが、思弁的な語りではないその筆致はルポタージュとして読むことを想起させ、ダニエル・デフォーが疫病に席巻されたロンドンを活写した『ペスト』を連想させる。

どうしてだか思い出した『方丈記』。せっかくだから、読み直してみようか。

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