高山宏 學魔_nonbot 鏡花幻想文学誌 異界/境界 「平地人」の戦慄 1~3

鏡花幻想文学誌 異界/境界 「平地人」の戦慄 1): 西洋近代に追いつき追いこせで始まった日本の維新近代の大実験にも、20年ほどたつと綻びが見え始めたのだろうか。欧化の抑圧さらに強く、ついていけない部分がついに続々と剥落を始めたのだろうか。いずれにしろ露伴の「対髑髏」(明23)をきっかけに..

鏡花幻想文学誌 異界/境界 2): 現実とは別のもうひとつの世界を想定し、この想世界を盾に現実のあやふやさ、いかがわしさを衝くといった異界文学、典型的な幻想文学のテクストが急に目を引き始める。その極点に立ち、異界小説テクストのほとんどすべてのモティーフを繰り出し、世界的にみてさえ..

鏡花幻想文学誌 異界/境界 3): 稀なほどの完成度を持つ異界作品を織り紡いだのが主として明治30、40年代における鏡花にほかならない。おそらくはその稟質に時代の苛烈な否定相が重なって、金沢を原風景とする異界ものの理想的なパターンが、そこにつくり出された。

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