身内と胎内 『失われた庭』の僕 132): 子供うまない主義。結構。では避妊のことくらい当り前じゃないか、と思うぼくなど、既に美学の敵なのだろう。そういう顧慮を一切しないで、射精だけはし続ける。当り前の愚が原因の愚かな結果。『失われた庭』の書き手はそれを「掻爬」と書いた。
身内と胎内 『失われた庭』の僕 133): 遠回しにという万端の配慮がかえって、この世に途中から隠された闇を明るみに出す。ぼくは『高丘親王航海記』をみずこ供養の陀羅尼と読み返せないかと思って、改めて紙幅を繰ってみた。女の方はわざわざ喉に奇妙なつかえができた話を書いて、未練黙しがたい..
身内と胎内 『失われた庭』の僕 134): 風情なのに、男の方はどこまでも自分の救いのことしか書いてない。答のない謎を秘めたまま、もうお二人とも、いない。 それでみんな、なんとなく 笑いだして、いちばん肝腎 のところはあっさりおしま いになった。…. この項〈了〉
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