高山宏 學魔_nonbot 身内と胎内 『失われた庭』の僕 94~97

身内と胎内 『失われた庭』の僕 94): ぼくの疑問はとてもつまらないこだわりから始まった。ルイス・キャロルとジョン・ラスキンがアリス・リドゥルを狙い合うけちな角逐のエピソードである。女だらけの家族の中でいい加減甘やかされた「おにいちゃん」キャロルを最初からぼくは良かれ悪しかれ..

身内と胎内 『失われた庭』の僕 95): 澁澤龍彥と重ねてみていた。子供嫌いの風に子供に媚びたキャロル。ラスキンにいたっては妻に対する夫の非礼の歴史的標本である。初夜の場で、女のあそこに穴があることを触り知って汚いと称し、絶望して女嫌いになったとかで悲しいのはその後、ラファエル前派の..

身内と胎内 『失われた庭』96): 一人の所に「払い下げ」されたラスキン夫人である。そんなラスキンから世紀末のお耽美ヤローどもの一大阿保文化は出発したのだ。あるいは女の純粋な霊性を讃え切った人と美術史家谷田博幸氏の大冊『ロセッティ』に改めて力説されたダンテ・ゲイブリエル・ロセッティは..

身内と胎内 『失われた庭』の僕 97): どうか。死ぬほど愛したとか言う女が死んだので、その墓に女を恋慕する詩を納めたが、次に女ができると、その詩を墓からあばいて次の女にやる。ああたね、耽美派のトップがね、そんなベートーヴェンみたようなことしたらアカンやろ

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